【三浦文学コンシェルジュ (2-1)】『書棚から歌を』田中綾 2015.6 深夜叢書社

表紙_書棚から歌を

表紙_書棚から歌を

【三浦文学コンシェルジュ (2-1)】

三浦綾子・三浦光世の作品と、それらに関連する本や情報をご紹介します

『書棚から歌を』 田中綾 2015年6月 深夜叢書社

 当文学館の財団理事であり、文学講座講師である田中綾氏(歌人・北海学園大学教授)による本で、北海道新聞の「日曜文芸」欄で連載したコラムの単行本化です。三浦綾子に関係するのは、①P.234,235の、前川正さんの1首。彼は綾子の幼なじみで、挫折の中にあった綾子を立ち直らせ、短歌を教えた人。②p.314-315の、三浦光世の1首(文中で堀田綾子の歌と「三浦こうせ」名義の歌も紹介)。若々しい感性が光彩を放っていて、短歌のことが分からなくても楽しめます。また、有名な歌人の紹介は面白いですし、朝の連続テレビ小説で話題になった柳原白蓮や、『豆腐屋の四季』の松下竜一なども興味深いです。ここまで読むと、“歌人”や“歌集”の紹介と思われるかもしれませんが、さにあらず。「今週の1冊」を紹介するブックガイドです。面白そうな本を探す手がかりとしてもおすすめしたい1冊です。

 《こんな方におすすめ》

短歌がお好きな方に … 
 歌人の人となりと手がかりを知るミニ事典として

文芸史がお好きな方に … 
 歌の背後に見えてくる歴史と、歌人の息遣い

ISBN978-4-88032-422-7

(文責:難波真実)

タイトルとURLをコピーしました