【案内人ブログ№103】(2026年4月)青少年弁論2026を聞き思うこと 記:三浦隆一

案内人ブログ

去る2月14日(土)に高校生による自由弁論が行われました。
文学館事務局がつけたタイトルは“想いは声にした瞬間に力になる”でした。そのタイトル通りに、力のこもった熱弁が繰り広げられました。
ほとんどの生徒さんが地元北海道を題材にしていたことは、こちらとしても聞いていて嬉しかったです。
旭川実業高等学校の津山さんは『我ら道産子として』という題名で、昨年知床の羅臼岳で起きたヒグマによる死亡事故を取り上げていました。津山さんは、そのような痛ましい事故が起きた原因は、人による餌付けにあるとして、これは決して偶然に起きた事故ではないとおっしゃっていました。そうしたメッセージは確かにこちらにも届きました。
旭川藤星高等学校の河森さんは、北方領土の問題やロシアによるウクライナ侵攻を取り上げていました。タイトルは『八〇年の「後片付け」』です。河森さんは『だれが戦争の後片付けをするのか』という本に影響を受けたと語っていました。今後もこのテーマを掘り下げていかれることを期待します。
同じく藤星高校の髙橋さんは『大地と向き合う』と題して、三浦綾子が『泥流地帯』で書いた、綾子さんが生まれた頃に起きた十勝岳の噴火、爆発を取り上げていました。その理由というのは、美瑛に住居を構える実家が、今季限りで農業を辞めるという決断をされたからでした。
同じく藤星高校の宮下さんは『過去と未来をつなぐ思いやり』と題して、今般話題となっている墓終いを取り上げていました。というのは、これからは墓守りをするようにと、祖母から言われたからでした。
また藤星高校の芳賀さんは『未来にまどはない』と題して、19歳の若さで亡くなった知里幸恵を取り上げていました。芳賀さんは幸恵と同じ北門中の出身だそうです。北門中の郷土資料研究部が、現状では廃部寸前であると知ったならば、幸恵はどう思うだろうかとおっしゃっていました。知里幸恵の著書『アイヌ神謡集』は私にとっても好みの本で、聞いていてとても興味深かったです。

この青少年弁論の取り組みは、文学館全体にとっても、ますます重要になってきていると感じています。事務局長の難波さんは、生徒の一人一人がプロデューサー、演出家、俳優の三役をこなしているのが素晴らしい、と講評を述べておられました。
何よりも生徒一人一人の目が輝いているのが印象に残りました。正解のない問いに言葉で挑む、というのが今回の青少年弁論の副題です。事務局は魅力的な副題をつけたなと思っています。
ここで三浦文学館の近況について報告します。
来る2028年は文学館が開館して30周年にあたります。この記念すべき年の為に、さまざまな行事を現在計画中でありまして、詳細については近々お知らせできると思っています。
本館の1階と2階には、それぞれ数冊の思い出ノートが置いてあります。もちろん誰もが自由に書いて良いノートです。近年、韓国語や英語で書かれている部分が増えています。それを見ると、いかに文学館に来る外国人が増えているのかと、非常に勇気づけられます。

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