この夏、『伝記漫画 三浦綾子』(漫画:高倉みどり シナリオ:日本聖書協会 監修:三浦綾子記念文学館特別研究員 森下辰衛、日本聖書協会)が刊行されましたが、お読みになられたでしょうか。
表紙も華やかで、学校図書館にあると引き立つデザイン。
この漫画刊行を機に、若い世代にも三浦綾子の存在が広まると嬉しいです。
さて、身近な若者たちはどんな三浦綾子作品を読んでいるのでしょうか。
勤務先の大学で、授業の読書レポートの課題図書として三浦綾子の小説を指定したところ、こんなランキングとなりました(人文学部3、4年生の138名)。
【長編小説】
1位・『塩狩峠』=33名
2位・『母』=16名
3位・『ひつじが丘』=11名
4位・『泥流地帯』『続泥流地帯』=10名
5位・『道ありき』=9名
6位・『氷点』=8名
7位・『あのポプラの上が空』=5名
8位・『石ころのうた』『石の森』=各4名
9位・『銃口』『嵐吹く時も』『雨はあした晴れるだろう』=各3名
10位・『細川ガラシャ夫人』『夕あり朝あり』『青い棘』『天北原野』『雪のアルバム』=各2名
以下、各1名 『千利休とその妻たち』『岩に立つ』『草のうた』『この土の器をも 道ありき第二部』『海嶺』『広き迷路』
【短編小説】
・「病めるときも」(『病めるときも』収録)=4名
・手記「太陽は再び没せず」(全集15巻 林田律子名義)=2名
・「貝殻」(『毒麦の季』収録)、「足跡の消えた女」(『死の彼方までも』収録)、「逃亡」(『死の彼方までも』収録)、「赤い帽子」(『死の彼方までも』収録)、「死の彼方までも」(『死の彼方までも』収録)、「井戸」(『病めるときも』収録)、「奈落の声」(『病めるときも』収録)=各1名
『塩狩峠』は、以前椎名林檎さんが推薦コメントを書いていたことも印象的だったようです。
『母』と『ひつじが丘』が多かったのは、私が講義の中で紹介した影響もあったかと思います。
ティーンズ向け小説『石の森』は4名が注目してくれましたが、これは拙著『あたたかき日光(ひかげ)』でその作風や文体にふれたため、関心をもってくれたそうです。嬉しい反響でした。
意外だったのは、『氷点』が少なく、『続氷点』を選んだ学生が一人もいなかったこと……。
個人的に、小説としての『続氷点』の完成度の高さを読むたびに感じており、名セリフも少なくないと実感しています。
続編だけを読む人はいないはずなので、来年度は、『氷点』『続氷点』を伝える切り口を工夫しようと考えています。

