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【館長ブログ「綾歌」】細川ガラシャ書簡の「ちらし書き」の美しさ!

「綾歌」館長ブログ

国立国会図書館(NDL)のホームページでは、所蔵資料がさまざまな形で紹介され、情報提供も行われています。

その1つ、「電子展示会」では、「近代日本人の肖像」「絵巻の世界」「錦絵と写真でめぐる日本の名所」など多数のコンテンツがあり、それぞれの貴重画像と丁寧な解説で、自宅パソコン前に時空を超えた魅力的な世界がひろがります──

今回ご紹介したいのは、「あの人の直筆」。
https://www.ndl.go.jp/jikihitsu/index.html

もともとは2014年度に開催された企画展示で、近世~昭和、さまざまな分野で活躍した著名人の書簡や葉書など、直筆資料を公開したものだそうです。それらに、肖像や詳しい解説文が加えられ、国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)のリンクも追加された便利なコンテンツになっています。

「近世」「近現代」「いろいろな直筆」の3部からなり、以前は芥川龍之介や谷崎潤一郎ら「近現代」のページは見ていたのですが、ふと「近世」のほうを開くと、なんと、「特別展示 細川ガラシャ」がありました。

第1部 特別展示 細川ガラシャ | あの人の直筆 | 電子展示会

三浦綾子の『細川ガラシャ夫人』は今なお人気の高い小説で、私たち読者も、時代に翻弄されながらも凛とした生き方を貫いた玉子(ガラシャ)の姿を思い浮かべることができるでしょうか。

国会図書館にはガラシャの書状10通が収蔵されており、その中から小侍従(侍女)にあてた1通の画像が公開されています。

興味深いのは、一枚の紙の上下で文字の向きが逆になっていること──上半分は通常と同じく上から下に読めますが、下半分は、下から上に読む形になっています。これは、横長の紙を2つに折って、まず折り目を下に書き出し、続きはひっくり返して書いたため、最終的に紙を広げると文字の向きが逆になったということです。

さらに、書かれた文字の大きさや、レイアウトにもご注目を! 大きな文字、小さな文字が入り乱れ、行頭・行末、行間もばらばら。とはいえ、その流麗な筆さばきや墨の濃淡は、まるでアート作品のようにも思われます。

解説によると、これは「ちらし書き」という書式で、「一見ランダムに見えますが、ある程度の法則性はあり、大きな文字から読み始めるのが原則」とのこと。「誰がいつ、何のために始めたかは、わかっていませんが、平安時代にはすでにあったようです。女性の手紙、仮名の手紙に多く見られます」ともありますが、それを解読できる文化が女性たちにあったことも興味深いですね。

ミステリアスで美しい、細川ガラシャの「ちらし書き」。ぜひ、一目ご覧ください。

田中綾

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