【三浦文学コンシェルジュ (2-2)】
三浦綾子・三浦光世の作品と、それらに関連する本や情報をご紹介します
北海道新聞釧路支社に勤める記者が、北海道新聞夕刊根室釧路版で連載した記事をもとに加筆・再構成して出版された単行本です。「北海道綴方教育連盟事件」の当事者が残したメモをきっかけにして、遺族や関係者などに取材を重ね、丹念に記録し、全容に迫ったルポルタージュです。
この事件は、三浦綾子の最後の長編小説『銃口』の題材であり、第6章では三浦綾子と小川文武さん(事件で拘禁されたお一人)とのやりとりにも触れています。「彼ら(逮捕された教員ら)の教育活動は、果たして“罪”と呼ぶべきものだったのか。事件は、なぜ起きたのか」(あとがきより)と問う筆者の声は、私たちの胸にずしりと重くのしかかります。終戦70年を迎える今年、ぜひ読んでおきたい1冊です。
《こんな方におすすめ》
教育関連のお仕事の方に …
当時の作文教育の歩み、文集と抜粋、再興
平和を願い、学んでおられる方に …
「治安維持法」の運用の変遷
司法に携わる方に …
特別高等警察や検事の動き、公判の様子、判決の内容
ISBN978-4-89453-761-3
(文責:難波真実)