2025(R7)年度 分館・小さな企画展「同時代を生きた作家—田辺聖子と三浦綾子」

2025(令和7)年度の分館・小さな企画展では、「同時代を生きた作家—田辺聖子と三浦綾子」を開催いたします。

展示内容

2023年度に三浦綾子と遠藤周作氏の比較展示を行った「同時代を生きた作家」シリーズの第2弾として、本年度は〈おせいさん〉の愛称で知られる芥川賞受賞作家・田辺聖子氏が登場。「同時代を生きた作家—田辺聖子と三浦綾子」を開催いたします。

1928年に誕生された田辺氏と、1922年生まれの三浦との文学的な特色を照合しつつ、両人の共通点や相違点を掘り下げる内容で構成。中でも女学生時代に1945年を迎えた田辺氏と、その時を軍国教師として味わった三浦、それぞれに〈敗戦〉が与えた影響について深く迫ります。

監修は活水女子大学名誉教授の上出惠子先生、またご協力を大阪樟蔭女子大学田辺聖子文学館様、学校法人樟蔭学園大阪樟蔭女子大学様ならびに田辺氏のご遺族に賜りました。

展示構成

(1)導入〜
寄稿:「激動の時代〈昭和〉を生きた作家・田辺聖子」
大阪樟蔭女子大学田辺聖子文学館館長・中周子氏

(2)比較年譜〜
誕生から逝去までの足跡を辿り、二人の類似点や相違点を読み解きます。

(3)敗戦前後の生き様〜
大阪の松蔭女子専門学校時代の田辺氏と、北海道の小学校で皇国教師だった三浦の戦中から作家前夜までを深掘りします。

寄稿
「軍国少女であった自分と向き合う」
田辺聖子文学館学芸員・住友元美氏

寄稿
「敗戦の衝撃、そして作家へ」
活水女子大学名誉教授・上出惠子先生

(4)作家時代の活躍〜
1964年、田辺氏は『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)』で第50回芥川賞を受賞、三浦は「氷点」が朝日新聞社の一千万円懸賞小説に当選。共に作家として転機となった同年を起点に、作風および家族の存在について読み解きます。

寄稿
「(田辺氏について)大阪言葉による日常の輝き」「(三浦について「生き方を問う言葉の宝庫」)」「パートナーと共に歩んだ『昭和』—カモカのおっちゃん・ミコさん—」
三浦綾子記念文学館館長・田中綾

寄稿
「(田辺氏について)—愛された記憶—」
田辺聖子文学館学芸員・住友元美氏

(5)田辺聖子氏代表作紹介〜
主要作品の概要を説明いたします。

(6)書斎比較〜
分館展示室「三浦夫妻の口述筆記の書斎」前に、田辺氏が佇む書斎の大判写真と椅子(レプリカ)を設置し、作家が残した言葉と共に再現いたします。

(7)東大阪紹介〜
田辺聖子文学館が所在する東大阪市は、司馬遼太郎記念館もある文化の街であり、〈モノづくりのまち〉としても知られる場所。その一部を紹介いたします。

展示資料

田辺氏の芥川賞受賞発表掲載誌『文藝春秋』(1964年3月特別号)
田辺氏と三浦の新連載同時発表記事掲載誌『週刊朝日』(1974年11月1日号)
田辺氏作文「日本的死生観に対する否定に就て」掲載誌『月刊面白半分』「佐藤愛子と田辺聖子」(1975年3月臨時増刊号)
写真集『思い出の高等女学校』(1987年9月25日)
田辺氏「わが母校〜直筆メッセージ」(レプリカ)
田辺氏「手描きイラスト」(レプリカ)
田辺氏「書斎椅子」(レプリカ)等

会期と会場

会期

2025年6月13日(金)〜2026年3月20日(金・祝)
※会期中の休館日:毎週月曜日(7月と8月は無休で開館します)
 スケジュール表は、こちら https://www.hyouten.com/event

会場

三浦綾子記念文学館 分館(口述筆記の書斎フロア展示室)
 当文学館のご利用案内は、こちら https://www.hyouten.com/info

主催・協力

主催

三浦綾子記念文学館

協力

  • 大阪樟蔭女子大学田辺聖子文学館
  • 学校法人樟蔭学園大阪樟蔭女子大学
  • 田辺聖子氏ご遺族

本館企画展

2025(R7)年度 本館企画展 終戦80年企画展「時代を見つめる」公式ページ
2025年4月4日(金)〜2026年3月20日(金・祝)

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