件名の通り、綾子のエッセイ「旭川とわたし」をご紹介いたただきましたのでお知らせします。
2020年12月30日(水)「産経新聞」朝刊14版1面
「産経抄」
「産経抄」で引用された三浦綾子「旭川とわたし」は、『丘の上の邂逅』(小学館)に収録されており、単行本、文庫本、電子書籍(小学館『三浦綾子電子全集 丘の上の邂逅』)でお読みになれます(単行本・文庫本は当館WEBショップからもお求めになれます)。
初出:「国際ソロプチミスト旭川」NO.1、秋(1975年発行月不明)、国際ソロプチミスト旭川
寒さは一体人の生活に何をもたらすのであろう。この間わたしは、三浦と共にテレビの対談に出たが、司会者から
三浦綾子「旭川とわたし」(三浦綾子『丘の上の邂逅』小学館)
「北海道のよさは何か」
と尋ねられた。わたしはためらわずに、寒いことだといった。
もしこの旭川が、きびしく長い冬を持たなかったら、それは何とつまらぬ所であろう。長い冬の中で、人々は耐えるということを学ぶ。自然のきびしさに耐えるということである。それはまた、人生のきびしさに耐えるということでもある。しかも只耐えているのではない。そこには、春を「待つ」という積極的な姿勢がある。希望がある。