【案内人ブログ】No.23(2019年2月)

「三浦綾子文学の道」モニュメントの制作者 長澤裕子さんにお会いして

彫刻家・長澤裕子さん

成人の日が終わって、お正月気分もぬけた1月18日金曜日、私達(山崎・戸島)は彫刻家長澤裕子さんにお話をうかがう機会を得ました。

『道ありき』文学碑(旭川市春光台公園)

長澤さんは、ご存知の方も多いと思いますが、あの『道ありき』文学碑の制作者です。この方の作品が、あらたに「三浦綾子文学の道」と名付けられた国道237から文学館までの市道に、昨年11月16日、設置されたのです。

外国樹種見本林に向かう左側の歩道に建てられた180㎝のモニュメント「愛の道」。「愛」の文字は綾子さんの手によるもので、赤い彩色がほどこされています。
長澤さんによるとこのモニュメントは、綾子さんと光世さんが寄り添って歩いておられる写真をご覧になったところから発想されたそうです。

人と人が寄り添って歩く いろいろな思いを分かち合って歩く…
これは文学碑『道ありき』のテーマでもあります
そんな道の「道しるべ」になれば…
わくわくとかドキドキとか、何かしらの思いをもって文学館を訪れた人が、希望をもって帰る
その足取りはスキップしてるかも…
踊ってるかも…

長澤さんのお話をうかがっていると、モニュメントの真中に穿たれた穴からは、なるほど光が差し込んできます。
旭川市は当初、「三浦綾子文学の道」という標識だけを設置する考えだったようですが、こんな素敵なモニュメントが建てられて本当にうれしい!!

綾子さん達は、世に出した作品を「わたしたちの子供」といっておられましたが、長澤さんも、ご自分の作品が手を離れていくときは、お嫁に出す心境だそうです。作品がその置かれたところで、なでられたり抱かれたりして、その人の心に残っていく、彫刻もその風合いを変えていく。「彫刻は生きている」と言われるそうで、それは幸せなことだとおっしゃっていました。

彼女の温かな人間味あふれるお話は、綾子さんの人間性に重なるように感じられて、私達はすっかり長澤フアンになってしまいました。今後の予定として、9月の札幌での個展のことなど未発表のことまでお聞きしたのですが、「ぜひ拝見したい!」「札幌まで行きたい!」「旭川で展覧会があったらもっとうれしい!」と思ったことでした。
これからも、三浦綾子の作品をテーマにした彫刻が、彼女の手によって世に出されることを祈りながら、amie工房(旭川市旭町)での楽しいランチを終えました。

長澤さん、貴重な時間をさいて和寒町からの冬道、わざわざお越しくださったことに感謝します。ありがとうございました。ますますのご活躍を祈っています。

by 三浦文学案内人 戸島雅子

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