終戦70年特別展『銃口』~いま、考えておきたい平和のこと~

銃口展_1
■開催にあたって

この度、昨年ご好評を頂いた『銃口』展を開催する運びとなりました。

『銃口』は、昭和の戦争がすすむ時代<天皇は神>という教育を受けた一人の男性が、やがて教師となり熱心に教えた綴り方(作文)教育で突然警察に捕まるという「北海道綴方教育連盟事件」を題材に、<昭和と戦争>を描いた作品です。
作品には、三浦綾子自身が軍国主義教育に何の疑いも持たなかった教師体験の反省から、「この昭和という体験は、どうしても書きのこしておきたい。戦争を二度とおこしてはならない、おこさせてはならないと、若い人たちが真剣に考えてくれれば」という願いが込められています。
『銃口』は<三浦綾子の遺言>とも言われ、書き終えた綾子は「昭和時代が終わっても、なお終わらぬものに目を外すことなく、生きつづけるものでありたい」と次の世代へ大切なメッセージを託しました。

銃口展_2

戦後70年の今、少しずつ風化しその時代を語れる人が少なくなってきた中で、語り継ぐべきことを一人でも多くの方に知って頂ければと願っています。
現代も様々な形で人間に向けられている銃口。それに対して無関心に生きることは、結果的に自分が自分に銃口を向けることになるのではないでしょうか。
そのことに気付き、その危険に目をそらすことなく、人間が人間らしく生きることの大切さを再認識するきっかけになれば幸いです。

期間…2015年6月13日(土)~2015年9月30日(水)
場所…当文学館 2階回廊
料金 …通常の入館料のみ(大人500円 大学・高校300円 中学・小学100円)
※土曜日は、小中高生無料です。夏休み、ご家族でぜひおいでください。

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『銃口』(上)あらすじ
昭和元年、北森竜太は、北海道旭川の小学4年生。父親が病気のため納豆売りをする転校生中原芳子に対する担任坂部先生の温かい言葉に心打たれ、竜太は、教師になることを決意する。竜太の家は祖父の代からの質屋。日中戦争が始まった昭和12年、竜太は望んで炭鉱の町の小学校へ赴任する。生徒をいつくしみ、芳子との幸せな愛をはぐくみながら理想に燃える二人の背後に、無気味な足音……それは過酷な運命の序曲だった。

『銃口』(下)あらすじ
昭和16年、竜太は思いもよらぬ治安維持法違反の容疑で拘留、七か月の独房生活の後、釈放された。坂部も同じ容疑で捕らえられ釈放されたもののすでに逝くなっていたことを知り慟哭。芳子や家族に支えられ、ようやく立ち直った矢先に、召集の赤紙が届く。それは芳子との結婚式の直前だった。軍隊生活、そして昭和20年8月15日終戦。満州から朝鮮への敗走中、民兵から銃口を突きつけられる。そこへ思いがけない人物が現れて助けられ、やっとの思いで祖国の土を踏む。再会した竜太と芳子にあの黒い影が消える日はいつ来るのか……。

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『銃口』を読みたい方は

『銃口』単行本(上)小学館 詳細(購入窓口もあります)

『銃口』単行本(下)小学館 詳細(購入窓口もあります)

『銃口』文庫本(上)小学館 詳細(購入窓口もあります・電子書籍も)

『銃口』文庫本(下)小学館 詳細(購入窓口もあります・電子書籍も)

中学生・高校生の皆さん、夏休みの読書感想文にチャレンジしみてはいかがですか。

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三浦綾子記念文学館では、第1回 三浦文学全国移動展を実施中です。
『銃口』、『母』の展示パネルおよび資料をお貸しします。
あなたの街で『銃口』展を開催してください。
詳しくは、こちら

旭川大学で開催された『銃口』展

【今後開催される予定の移動展】

京都バプテスト教会(京都府京都市上京区)『銃口』7月15日(水)-7月28日(火)

チーフーキリスト教学園(北海道七飯町本町)『銃口』7月24日(金)-8月6日(木)

市立士別図書館(北海道士別市西1条)『母』8月

江別市情報図書館(北海道江別市野幌末広町)『愛の鬼才』時期未定

弦 地域文化支援財団(山形県山形市蔵王松ケ丘)『銃口』12月

(文責:長友あゆみ)

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