昨年度から、勤務先の大学の「日本文学史Ⅱ」(近・現代の文学史)という授業でアンケートを行っています。質問は、ずばり「三浦綾子の作品を読んだことがありますか?」。
今年度の受講生は、人文学部の1~4年生で、109人から回答が寄せられました。
三浦綾子の作品を
→ 読んだことがある・・・11人 (10%)
→ 名前は知っているが、読んだことはない・・・59人(54%)
→ 今回初めて聞いた・・・39人(36%)
昨年度の調査では、「今回初めて聞いた」が「45%」でしたので、それよりはいくぶん認知度が回復したでしょうか。
とはいえ、「読んだことがある」学生が1割というのも、地元・北海道の大学としては、やはり寂しい結果です。
ちなみに、「読んだことがある」学生の三浦作品は、こうでした(複数回答)。
『塩狩峠』7人 『氷点』5人 『続氷点』1人 『ひつじが丘』1人
『泥流地帯』2人 『道ありき』2人
『塩狩峠』にふれたことをきっかけに、塩狩峠記念館を訪れたという回答もありましたが、これまで訪れたことのある文学館等を尋ねたところ~(複数回答)
北海道立文学館 21人 市立小樽文学館 15人 函館市文学館 3人
三浦綾子記念文学館 2人 宮沢賢治記念館 2人 井上靖記念館 1人
塩狩峠記念館 1人 旭川文学資料館 1人 有島記念館 1人
渡辺淳一文学館 1人
「地元だから訪れた」という理由が多いようですが、地元ではなくても、はるばる足を運びたくなる文学館には、どのような要素が必要なのでしょう――美術館や博物館にはない“文学館の魅力”を、いろいろと探っていきたいと思います。
田中 綾