みなさまお変わりございませんか。
三浦綾子読書会 ゆっくり読む『天北原野』が3月14日(火)に開催されました。
タイトルのとおり、三浦綾子の長編小説『天北原野』(新潮文庫)を毎回少しずつ読み進め、いよいよラストに向けて怒涛のドラマが堰を切ってきました。
今回は下巻「水脈」の章についての感想や意見を交わしました。
講師の森下辰衛(三浦綾子記念文学館特別研究員)から報告が届きましたので、ご紹介いたします。
2023年3月14日、ゆっくり読む三浦綾子読書会『天北原野』が文学館本館2階で開催されました。下巻「水脈」を参加者9人で輪読して、のち語り合いました。札幌市からの来館者の方もお加わりくださって、今年は春が早いのを感じました。
今回は完治の妹で孝介の妻あき子が、孝介が中国大陸での戦争から帰還した日に自死し、枕の上に残されていた遺書を孝介が読むという壮絶な章でした。
「水脈」という章の題になった言葉は本文にはありませんが、その意味を巡って、血脈や、見えないところでの心のドラマ、繋がりながら悲劇へと人を流してゆく罪、など良い読みが沢山出ました。また『氷点』最後の陽子の遺書と比較した意見も良い角度でした。遺書の「先生、私は淋しかったのです」というあき子の最後の声を聞いた孝介が、それをどのような問いとして受け止めてどう変わってゆくのか、変わることなく「馬鹿な奴だ」と言う完治との分かれ道でもありました。
次回は4月11日、次の「鬼志別」の章を読みます。ヒグマとの対決も楽しみです。どうぞ、ご参加ください。
文責 森下辰衛
森下辰衛からの報告による
次回は4月11日(火)13時30分~15時30分に開催予定です。
『天北原野』下巻 「鬼志別」の章を読み進めてまいります。
詳細は後日改めてお知らせをいたします。
ご不明点がございましたら、三浦綾子記念文学館までお問い合わせをいただければ幸いです。
マスクのご着用・手指のご消毒等、三浦綾子記念文学館の感染予防対策にご理解とご協力をお願いいたします。電子入館券や有効期限がない回数券(12枚綴り・郵送でお送りいたします)を是非ご利用ください。
『天北原野』は文庫本・電子書籍でお求めになれます(文庫版は下記カートからもお求めになれます)。 冒頭部分は、「三浦綾子小説作品 はじめの一歩」のこちらから無料でお読みになれます。
『天北原野』上 三浦綾子電子全集(小学館)
https://www.shogakukan.co.jp/digital/09D015670000d0000000
『天北原野』下 三浦綾子電子全集(小学館)
https://www.shogakukan.co.jp/digital/09D015680000d0000000