みなさまお変わりございませんか。
三浦綾子読書会 ゆっくり読む『天北原野』が2月14日(火)に開催されました。
タイトルのとおり、三浦綾子の長編小説『天北原野』(新潮文庫)を毎回少しずつ読み進め、今回は下巻「煤」の章の四~六についての感想や意見を交わしました。
講師の森下辰衛(三浦綾子記念文学館特別研究員)から報告が届きましたので、ご紹介いたします。
2023年2月14日、ゆっくり読む三浦綾子読書会『天北原野』が文学館本館2階で開催されました。下巻「煤」の章の後半四〜五を参加者8人で輪読して、のち語り合いました。
神奈川県からの来館者の方やコロナ禍以降お見えでなかった市内の方もお加わりくださって、少し春が来た感じがしました。
今回の箇所は貴乃の息子加津夫が父完治の妾梅子の家に泊まっている所に完治がやって来るという『天北原野』全体の中でも一番げっそりする箇所で、まさに須田原家の煤がごっそり出て来た感じでした。でもその中でも、加津夫が父の問題を批判的に越えようともがきつつ反発して家を出てゆくところ、家族のスケッチをしながら妹弥江中に純真なものを見つけてゆくところ、などに成長への段階が見え始めている点に注目する意見が出ました。
また、権八、小紫、幡随院の長兵衛や切られの与三郎、お富など、浄瑠璃や歌舞伎の物語やセリフを物語当時の人たちや綾子さんの世代は普通に常識として知っていたのだということも新鮮で勉強になりました。
次回は3月14日、次の「水脈」の章を読みます。いよいよラストに向けて怒涛のドラマが堰を切ってきます。どうぞ、ご参加ください。
文責 森下辰衛
森下辰衛からの報告による
次回は3月14日(火)13時30分~15時30分に開催予定です。
『天北原野』下巻 「水脈」の章を読み進めてまいります。
詳細は後日改めてお知らせをいたします。
ご不明点がございましたら、三浦綾子記念文学館までお問い合わせをいただければ幸いです。
マスクのご着用・手指のご消毒等、三浦綾子記念文学館の感染予防対策にご理解とご協力をお願いいたします。電子入館券や有効期限がない回数券(12枚綴り・郵送でお送りいたします)を是非ご利用ください。
『天北原野』は文庫本・電子書籍でお求めになれます(文庫版は下記カートからもお求めになれます)。 冒頭部分は、「三浦綾子小説作品 はじめの一歩」のこちらから無料でお読みになれます。
『天北原野』上 三浦綾子電子全集(小学館)
https://www.shogakukan.co.jp/digital/09D015670000d0000000
『天北原野』下 三浦綾子電子全集(小学館)
https://www.shogakukan.co.jp/digital/09D015680000d0000000