2025(令和7)年度の本館企画展は、終戦80年を記念して「時代を見つめる」と題して開催いたします。
開催にあたって
本年(2025)は、第二次世界大戦で日本が敗戦して80年である。また、大正から昭和へ改元されて100年が経つ。「戦争の時代」とも称されるこの昭和で三浦綾子は生き、作品を執筆した。十代後半から二十代前半の多感な時期を軍国主義社会の中で過ごし、熱心な教師として経験を重ね始めた矢先に敗戦を経験した。あまりに急激な社会の変容を目にして、彼女は軍国教師としての過ちに苛まれ、生きる意味を見失ってしまった。それほどに戦争がもたらした惨禍は彼女を傷つけ苦しめる。しかし三浦綾子は過ちと誠実に向き合って立ち直り、作家となった。その彼女が生涯で書き続けた作品はどれも、命と平和の大切さを読者に伝えるものである。
この企画展では、『塩狩峠』の年代から現在に至るまでの、戦争に言及した作品や特徴的な社会の出来事を年代別に紹介した。それらをご覧になることで、『銃口』で語られた「時代をしっかり見つめなさい」の言葉が持つ意味に触れていただけるのではないかと思う。そして、戦後どんなに時間が経っても命と平和を訴える三浦綾子の筆致は鈍らなかったことが理解いただけるであろう。これからを生きる私たちが「新しい戦前」を招いてしまわないために、この展示を気づきと学びに活用くだされば誠に幸いである。
今回も、当文学館ボランティアの「三浦文学案内人」が皆で協力して企画編集に加わり、展示を作ってくださった。心から感謝申し上げる。


終戦80年企画展「時代をみつめる」案内チラシ(PDFファイル)
会期と会場
会期
2025年4月4日(金)〜2026年3月20日(金・祝)
※会期中の休館日:毎週月曜日(7月と8月は無休で開館します)
スケジュール表は、こちら https://www.hyouten.com/event
会場
三浦綾子記念文学館 本館2階企画展示室
当文学館のご利用案内は、こちら https://www.hyouten.com/info
主催・後援
主催
三浦綾子記念文学館
後援
- 旭川市
- 旭川市教育委員会
- 北海道新聞旭川支社
- 朝日新聞旭川支局
- あさひかわ新聞
- 読売新聞旭川支局
- 毎日新聞旭川支局
- 共同通信社旭川支局
- 日本経済新聞社旭川支局
- NHK旭川放送局
- 旭川ケーブルテレビ「ポテト」
- (株)ライナーネットワーク
- 三浦綾子読書会
分館企画展
小さな企画展「同時代を生きた作家─田辺聖子と三浦綾子─」
2025年6月13日(金)〜2026年3月20日(金・祝)