大学生と、「北海道療育園」「三浦綾子記念文学館」へ
9月8日(金)、大学のゼミ生たちと旭川バスツアーを楽しみました。
札幌駅→北海道療育園→道の駅あさひかわで昼食→「三浦綾子記念文学館」と見本林散策→道立旭川美術館→大雪地ビール館でおみやげ購入という日帰りの旅で、30人近い車内で、私もバスガイドを初体験(!)しました。
今年のゼミでは、『細川ガラシャ夫人』と『氷点』を精読しているので、三浦文学館にゼミ生を引率することは以前からの約束でしたが、もう1つ、ゼミ生とともに、旭川市春光台の「北海道療育園」を訪れたいと願っていました。
この春、三浦文学館と連携協定をむすんだ北海道療育園は、半世紀近くも「福祉の文化化」を進めておられる、重い心身障害者の施設です。その歴史は、同園顧問の江口武氏による『慈育の心を求めて』(『北の療育・別冊』)に詳しいのですが、隣接する「風のギャラリー“彫刻の森”」には、著名彫刻家の17点の作品が、手に触れられるかたちで置かれています。作品のテーマは、“やさしさ”と、“親しみ”です。
療育園には、幼少時から入園され、数十年の長い期間を過ごしているかたもおられます。その一人一人の命に、“やさしさ”と“親しみ”、そして体温が伝わるような“文化”が隣接していることを、スマホ世代の学生たちとともに見つめたいという願いが、ようやく叶いました。
岡田喜篤理事長みずから学生たちにお話くださり、松尾彰久専務理事の懇切なご案内と、貴重な資料までいただきました。短い時間しかとれなかったことが、惜しまれます。
人間は、一人一人が「命」を授かり、その瞬間から、生き続けてゆきます。その命一つ一つが、“生き続ける”ために、文化が、文学が力となることを、北海道療育園と三浦綾子記念文学館は、ともに伝えゆく存在であるとあらためて感じています。
療育園に向かう道路の両側は、職員の方々や町内会、学校の方々が、丹精に手掛けた「フラワーロード」。この日も、赤や黄色はじめ、鮮やかな彩りで目を和ませてくれました。
ゼミのみんな、次回はもっとゆっくり時間をかけて歩き、お話を聞き、語り合いましょう。
田中 綾