上富良野文学散歩(2021年2月編)~三浦綾子『泥流地帯』『続泥流地帯』~

事務局ブログ

 昨年から不定期でご紹介している「上富良野文学散歩」。上富良野町でフットパスが開催されるのにあわせて、3回連続でご紹介してまいりました。今回のルートは、以下の通りです。
 
 深山峠→十勝岳爆発記念駐車公園→日新尋常小学校跡→日新ダム→かみふらの開拓記念館と泥流地帯文学碑(雪で入れず)→パノラマロード江花

 季節による違いがわかるように、以前に撮影した写真もあわせてご紹介しますね。

深山峠

 この日は-3℃ですが暖かく感じ、日中はマフラーや手袋がいらないくらいでした。
 冬に向かうときと春に向かうときとでは、同じ-3℃でも風や空気の感じが全く異なるように感じるのが、毎年不思議に感じることです。

 毎年夏はあたり一面のラベンダーが見頃となります。

十勝岳爆発記念駐車公園

 次に、十勝岳爆発記念駐車公園に移動しました。
 駐車場は入れますが、記念碑とトイレは雪で埋まっていて入れないという状況が北海道での「入れない」あるあるです。

 毎年2月はこんな感じですが……

 5月末になると、雪が解けて記念碑もばっちり見られます!
 写真は2年前、2019年5月27日に三浦綾子記念文学館のボランティアの皆さんと研修旅行で訪れた時のものです。
 見事な快晴の下、満面の笑みで写っているのは、当館特別研究員の森下辰衛です。

撮影日:2019年5月27日

 2月と5月を比較するとこんな感じです。

日新尋常小学校跡

 ここもやっぱり一面の雪でした。
 小説『泥流地帯』の石村拓一・耕作、福子らが通った小学校です。作中では、「日進」と表記されています。このような厳しい寒さの中、毎日通っていたのでしょうか。

撮影日:2021年2月12日

 雪があるのとないのとで、こんなにも様子が変わるんですね。

日進ダム

 日進ダムにも立ち寄りました。夏とはまったく趣が異なります。

泥流地帯文学碑

 十勝岳爆発災害復興六十周年記念として上富良野町草分神社境内に「泥流地帯」文学碑が建立され、1984(昭和59)年5月24日に除幕式が行われました。

 ここも訪れたもののやはり雪で入ることができませんでした。

撮影日:2021年2月12日

 11月と比較するとこんな感じです。

吉田貞次郎村長邸(開拓記念館)

 ここも雪で入れませんでしたが、十勝岳噴火や吉田貞次郎の資料などがご覧になれます。この建物は開基100年を記念し、平成9年に開館しました。大正泥流の被害を受けながらも残存した吉田貞次郎村長の邸宅を解体復元したものです。

 広場を撮影しました。

開拓記念館のある通りから見るとこのような景色がご覧になれます。

撮影日:2021年2月12日

パノラマロード江花 かみふらの八景

三浦綾子『泥流地帯』『続泥流地帯』について

泥流地帯

 大正15(1926)年の十勝岳大爆発を題材にした長編小説
 作品冒頭部分が「三浦綾子小説作品 はじめの一歩」 『泥流地帯』で無料でお読みになれます。

初出

北海道新聞日曜版 1976(昭和51)年1月4日~1976(昭和51)年9月12日

単行本

1977(昭和52)年3月25日、新潮社より単行本『泥流地帯』として刊行。

文庫本(新潮文庫)

1982(昭和57)年7月25日、新潮文庫『泥流地帯』として刊行。

電子書籍(小学館)

2013(平成25)年1月25日、「三浦綾子電子全集」35「泥流地帯」(小学館ebooks)として配信開始。付録に光世による創作秘話と取材時の三浦夫妻の画像、『泥流地帯』を執筆した時期を含む10年ほどの間に綾子が呼んでいた聖書の画像が収録されています。
底本:新潮文庫『泥流地帯』2011(平成23年)年11月10日、初版第58刷

続泥流地帯

 まじめに一所懸命に生きているのに、なぜこんなひどい目に遭うのか。答えの出ないこの大きな問いに、三浦綾子が真正面から取り組んだ『泥流地帯』の続編。
 作品冒頭部分が「三浦綾子小説作品 はじめの一歩」 『続泥流地帯』で無料でお読みになれます。

初出

北海道新聞日曜版 1978(昭和53)年2月26日~1978(昭和53)年11月12日

単行本

1979(昭和54)年4月15日 単行本『続泥流地帯』(新潮社)として刊行。

文庫本(新潮文庫)

1982(昭和)年8月25日、新潮文庫版『続泥流地帯』が刊行。

電子書籍(小学館)

2013(平成25)年1月25日、「三浦綾子電子全集」36「続 泥流地帯」(小学館ebooks)として配信開始。付録に光世による創作秘話と上記写真で紹介した「日新尋常小学校跡」の画像が巻末に収録されています。
底本:新潮文庫版『続泥流地帯』、2011年2月15日初版第50刷

『泥流地帯』映画化情報について

 『泥流地帯』映画化プロジェクトおよび最新の情報は北海道上富良野町公式ホームページ上富良野町 『泥流地帯』の映画化プロジェクト のサイトおよび北海道上富良野町 『泥流地帯』映画化を進める会公式アカウントTwitterで随時発信されます。当館公式サイト・SNSでも追ってお知らせします。
 下記の記事もあわせてお読みいただければ幸いです。

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