【館長ブログ「綾歌」】「若い世代に三浦文学を伝える、届ける方法」とは?

「綾歌」館長ブログ

11月中旬、勤務校の特別講義「学外協働の取組を学ぶ」で、三浦綾子記念文学館の取り組みについて講義し、受講生にアンケートに答えてもらいました。

【アンケート】
三浦綾子記念文学館では、若い世代に三浦文学を広める方法を常に考えています。これまで、「作文賞」「朗読コンテスト」「映画化」「漫画化」「podcast配信」「動画配信」「キャラクター化(一部のみ)」「SNS活用(TikTok以外はほぼ取組済)」等も取り組んできました。「無料立ち読み “はじめの一歩”」で1,2つほど小説を閲覧し、それらも参考にしながら、「若い世代に三浦文学を伝える、届ける方法」を考えてください。

法・経済・経営・人文・工の各学部の32名による回答で多かったのは、

(1)TikTokや、インスタグラムのストーリーズを効果的に活用する

(2)小、中、高校の図書室に三浦綾子の本を配架してもらう

でしたが、(2)はすでに実施済みで、やはりそういう裾野の広げ方が必要なのだなあ、と実感させられました。

ほか、具体的なコメントを、いくつか挙げてみましょう。

【診断チャートを作り、おすすめの小説がわかるようにする】

”はじめの一歩”のサイトを見て、三浦綾子の作品には様々な境遇の人物が登場しているように感じました。若い世代の人も含め、共感できる境遇の登場人物がいると小説を読むきっかけになるかもしれないと考えました。
例えば、『あのポプラの上が空』に登場する佐川惇一や『石の森』の早苗などは若い世代にも共感する人がいるのではないかと感じました。そこで、チャート形式の診断で読者におすすめの作品がわかると、三浦綾子文学を読むきっかけになるのではないかと考えました。(2年生)

【キャラクターのVtuber化】

『氷点』の始めを読ませていただきましたが、夏枝というキャラクターに紹介させることによって、『氷点』を知らない人にも三浦綾子を知らない人にも、Vtuberという肩書のみで、若者を引き付けることが出来ると考えます。(3年生)

【インフルエンサーに日常VlogでPRしてもらう】

日常VlogをYouTube等にアップしているインフルエンサーにPRを依頼します。日常Vlog とは、自分の生活をカメラで収めながら気持ちを吐露したり、最近買ったものを紹介したりする動画のことを言います。
日常Vlog を見る層は比較的若く、新しいもの好きです。「この人の生活を真似したい」「この人と同じものが欲しい」という気持ちの人が多いようです。そこで三浦綾子のエッセイを紹介してもらうことで、「この人が読んでいるなら真似して私も読んでみようかな」となり、購入を促進することができます。インフルエンサーに無料で小説を試し読みできるサイトを紹介してもらい、そこから購入に繋げることもできます。(3年生)

いずれも同世代の動向を踏まえたコメントですが、まず何より、「無料立ち読み “はじめの一歩”」で作品の書き出しを読んでもらい、興味を持ってもらうことが、大きな「一歩」なのかもしれません。 ほかにどんなアイデアがあるでしょうか、どうぞ自由にお寄せください。

田中綾

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