『塩狩峠』50年 「三浦文学でまちおこし」(9)

見本林 堤防の道

見本林 堤防の道

見本林 夏 文学館そば

見本林 夏 文学館そば

見本林 秋

見本林 秋

福寿草

福寿草

 [24節気]の歳時記でいうと、いまは「雨水」の時季。北国では川や池の氷が解けだすときです。いよいよ、『塩狩峠』50年事業が始まるなあ、とワクワクとビクビクが入り混じった複雑な気持ちで、うれしくもあり慌ただしくもあります。
 
 今回は、『氷点』の舞台三浦綾子記念文学館がある外国樹種見本林に「四季の道」をつくる計画のことをお話します。
 みなさん、810万部のモンスターヒット作を生み出した舞台見本林のことをご存知でしょうか。この森、実は林野庁の持物なんですね。一昨年、お願いにお願いを重ねてようやく森の中に『氷点』の物語の案内ボードを7箇所つけることができました。
 
 たとえば、辻口家ですね。『氷点』の物語から推測すると見本林の入り口のすぐ右側にあったのです。
 
 外国樹種見本林(旭川市の自然休養林に指定)の森を少し紹介します。明治31年林野庁が外国の樹木を中心に約50種類植えてその生育を見守ることや森林の大切さを伝えるためにつくったのです。広さは14.9ha、東京ドーム3個分がはいる広さがあり、118年自然のままで人間の手が入らないで育ってきた北海道最古の見本林です。いまは、JR旭川駅から一直線の道、氷点橋、氷点通りを通って車で2・3分、歩いても20分くらいです。35万都市で駅の近くにこんなにも大きな森を持っている街は全国でもめずらしく、三浦ファンだけでなく四季折々に自然を楽しみ人が散歩する場所になっているのです。
 
 今年三浦文学館では、『氷点』の映画化・ドラマ化50年の節目ということもあって、春、夏、秋それぞれに彩りのちがう「散歩道」をつくり歩いていただこうと考えています。
 
 まず「春」。美瑛川の畔、森の中ほどにある堤防、約3キロ?ほどの道の両側は桜の花色で染まります。一段高くなっているこの道を歩くと、花と腕を組んでいるような気持ちにさせられます。次に「夏」。30メートルのストローブマツの群生する道は、マイナスイオンのシャワーがふりそそぎグリーンウインドのやわらかな風の香りが心と体をやさしく癒してくれます。この避暑地は、きっと人間にとって自然から贈られた宝物、かも知れません。
そして、「秋」。文学館の入り口に大きなドングリの木が黄葉の大きな傘を広げます。樹のまわりでは、エゾリスたちが冬の餌を蓄えるのに忙しく動き回っています。ときには、館を訪れる人の友だち役もかってくれているようです。
 
 この3つの季節の美しくしかも動物や植物なども観察できる道を30分くらいかけて歩くコースを今回の事業で設定します。もちろん、パンフレットもつくります。『氷点』の物語を追体験できるよう小説のあらすじや描かれている場所なども載せたいと思っています。
 お楽しみに!
 
(文責:松本道男)

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