【2023年度企画展ご案内】三浦文学案内人による企画展示「綾子と海」について

事務局ブログ

開催にあたって

 三浦綾子は上川かみかわ盆地の中心部である旭川で生まれた。日本海・太平洋・オホーツク海という三つの海に囲まれた北海道にあって、旭川はほぼ中央の内陸部。海のない街で育った綾子は、小学四年の夏まで海を見たことがないほどだった。青年期の数年を歌志内うたしない札幌さっぽろで過ごしたこともあるが、そのどちらにも海はない。その後も海のない街に住み続けて生涯を終えた。つまり、綾子の暮らしのそばには海がなかったのだ。それなのに綾子は、自身の作品にたびたび海を登場させている。なぜだろうか。
 今回の企画展では、「あこがれと転機」「生と死のはざま」「水平線の向こう」という三つの柱を立て、綾子が海を描いた理由を探ってみた。海が描かれた作品とその場面を通して、綾子が見た景色、吸った空気、感じた手触りを私たちも味わってみようと思う。波に足を洗われながら、水平線を遠く眺めながら、綾子は何を思ったのだろう。一閃いっせんの光に照らさせて、綾子は何に向き合ったのだろう。この展示を通して、三浦綾子が海に抱き続けた想いを共に探ってくださればまことに嬉しい。
 なお、今回は当文学館ボランティアの「三浦文学案内人」が皆で協力して企画編集し、展示を作ってくださった。心からの感謝と共に、敬意を表する。

三浦綾子記念文学館

展示資料

【海を描いた三浦作品】
『草のうた』  1986年12月20日 角川書店
『嵐吹く時も』 1986年8月30日  主婦の友社
『道ありき』  1969年1月31日  主婦の友社
『石の森』   1976年4月25日  集英社
『夕あり朝あり』1987年9月20日  新潮社
『氷点』    1965年11月15日 朝日新聞社
『続氷点』   1971年5月25日  朝日新聞社
『天北原野』  1976年3月30日  朝日新聞社
『青い棘』   1982年4月1日  学習研究社
『細川ガラシャ夫人』  1975年8月1日 主婦の友社
『千利休とその妻たち』 1980年3月26日 主婦の友社
『母』     1992年3月10日  角川書店
『海嶺』    1981年4月20日  朝日新聞社
『銃口』    1994年3月10日  小学館
『長いトンネル』1997 年4月~9月 雑誌『小学四年生』に連載 小学館
 (現在、三浦綾子記念文学館復刊シリーズ『雨はあした晴れるだろう』に収録

【創作ノート】
『草のうた』創作ノートより
『嵐吹く時も』創作ノートより 1983.10~
『道ありき』講演 道ありきノートより
『石の森』創作ノート 釧路 標茶 野付 1974.10.18~22
『夕あり朝あり』積木の箱を書き終えて 塩狩メモノートより
『長いトンネル』積木の箱を書き終えて 塩狩メモノートより
「長いトンネルもやがて終わるよ」と、母キサが療養中の綾子に送った励ましの言葉。
『続氷点』おぼえ書き 函館 洞爺丸事件取材ノートより
  転覆前緊迫状況 
  転覆 夜光虫
  転覆後 詳らかに教授からの当時の状況を記載。
『天北原野』猿沸原野 天北 樺太風土記ノートより
『青い棘』取材ノートより
『細川ガラシャ夫人』華麗豪しゃな大阪の城ノートより
『海嶺』小野浦取材ノートより 1979.11.19~ ストーリー ロンドン 三吉 日本へ
『銃口』弾圧 創作ノートより

【原稿】
『草のうた』[17]章より
『石の森』[木々の墓]章より
『母』あとがき原稿より

【初出誌】
『道ありき』初出 雑誌「主婦の友』 1967年5月号
『千利休とその妻たち』初出 雑誌「主婦の友」 連載小説第5回
『細川ガラシャ夫人』初出 雑誌「主婦の友」連載小説⑫
『海嶺』初出 「週刊朝日」 連載小説「ああ祖国」の章<95>
『銃口』初出 月刊「本の窓」特別連載小説 [邂逅]の章<33>

【新聞記事】
洞爺丸沈没関連記事ファイル(事故後の新聞報道)
三船遭難関連記事ファイル(事故後の新聞報道
「洞爺丸台風の記憶刻む」朝日新聞 2015年9月26日付

【参考資料】
『海嶺』参考資料
  編集者からの資料 船内日誌 海洋気象 

【関連資料】
『北陸』[遠流の島 佐渡](小田嶽夫著)1970年6月 世界文化社発行
「洞爺丸事故」三浦夫妻の取材行程表(『命ある限り』より)
『新聞と写真で見る 北海道昭和史』1989年1月30日 北海道新聞社発行

【その他】
『三分の黙想』1968年 ドン・ボスコ社
堀田家の戸籍謄本
新潟県佐渡郡真野町周辺のパンフレットなど

【洞爺丸事故の後日談関連資料】
「海の追憶-1954年9月26日-」北海道函館中部高等学校演劇部の台本
台本制作の参考図書
 ・『海のレクイエムー宣教師A・Rストーンの生涯』 日本基督教出版局 1989/9/15
 ・『「荒野を拓かん」農村伝道進学科40年記念』農村伝道神学校神学科同窓会1990/5/15 
 ・『残されたもの―デーン・リーパー物語』リブリオ出版1989/12/20
 ・『思い出のデーン・リーパー物語-』日本キリスト教育年会同盟1986/8/1
北海道函館中部高等学校110年記念誌『白楊魂』2006/2/28
函館中部高等学校演劇部の活躍が報じられた新聞記事 
「若さあふれる熱演*高文連道南演劇発表会*オリジナル脚本も*函館」
1997/10/11 北海道新聞朝刊地方(函館・渡島・桧山)
  「舞台できらり輝け道南勢*全道高校演劇発表大会が開幕*まず遺愛女子が熱演」
    1997/11/15 北海道新聞朝刊地方(函館・渡島・桧山)
洞爺丸海難関連新聞記事
  殉教外国人宣教師の妻ら函館式典出席へ 2004/9/25 北海道新聞(夕刊)
  (文末に函館中部高等学校演劇部の「海の追憶―1954年9月26日―」にふれた
記事が書かれている)

三浦文学案内人によるみどころ紹介

【案内人ブログ】No.67(2023年3月) 企画展の準備に参加しました!記:近藤弘子

2023年度企画展開催情報

2023年度企画展会期:2023(令和5)年4月1日(土)〜2024(令和6)年3月20日(水・祝)

会期=2023年(令和5)4月1日(土)~2024(令和6)年3月20日(水・祝)
開催場所=三浦綾子記念文学館本館2階第4展示室

三浦綾子記念文学館・小さな企画展会期:2023年(令和5)6月13日(火)~2024(令和6)年3月20日(水・祝)

三浦綾子記念文学館・小さな企画展「同時代を生きた作家―遠藤周作と三浦綾子―」~回廊にて
会期=2023年(令和5)6月13日(火)~2024(令和6)年3月20日(水・祝)
開催場所=三浦綾子記念文学館本館2階回廊
監修=活水女子大学名誉教授・上出惠子
協力=長崎市遠藤周作文学館

三浦綾子記念文学館開館スケジュール・行事カレンダー

スケジュール表

イベントカレンダー(Googleカレンダー)

ゴールデンウィーク期間中および6月~10月末は毎日開館(無休)。
11月~翌5月末までは、毎週月曜日休館(月曜日が祝日の場合は翌日休館)
年末年始休館:12月28日(木)~2024年1月5日(金)

会場:三浦綾子記念文学館 本館2階第4展示室および回廊展示

アクセス情報は、こちらでご確認願います。

北海道旭川市神楽7条8丁目2番15号
※JR旭川駅から南へ車で約3分

最新のバス時刻表及び乗り場情報は各バス会社のホームページなどでご確認願います。
所要時間 : 約15分 バス停より徒歩5分

旭川電気軌道及び、道北バスがご利用になれます。
神楽4条8丁目 神楽農協前 で下車、徒歩5分ほどです。
すべてのバスで、神楽4条8丁目 神楽農協前 が三浦綾子記念文学館最寄りのバス停であるとアナウンスされます。

入館料:大人 700円 学生 300円 ※高校生以下は無料

詳細はご利用案内でご確認をお願いいたします。
賛助会員 と 旭川大学・短期大学部の学生 も無料
10月12日(三浦綾子のメモリアルデー) ※北海道民の皆様は無料で入館できます。免許証や保険証等ご住所を証明するものをお持ちください。

企画展案内(PDFファイル)ダウンロード

企画展関連事業

詳細決まり次第事務局ブログでお知らせするとともに、こちらのページにも追記いたします。

4月22日(土)13時00分より、三浦文学案内人によるギャラリートークを開催いたしました。

7月20日(木)14時より 企画展連動ギャラリートーク「愛の形見に─1954年9月26日─洞爺丸と二人の宣教師」(講師:坂元紳一氏)を開催いたしました。

9月9日(土)13時00分~15時00分「綾子と海」を旭川市シニア大学講座室にて開催いたします。※主催=旭川市教育委員会社会教育部公民館事業課、要事前申込

三浦綾子の小説およびエッセイが読みたいときには

三浦綾子記念文学館公式サイト「三浦綾子作品 はじめの一歩(無料立ち読み)」では、三浦綾子の全小説およびエッセイ4作品の冒頭部分が無料でお読みになれます。

企画展小冊子について

詳細決まり次第公式サイト等でお知らせするとともに、こちらのページにも追記いたします。

メディア掲載について

製作中の「三浦綾子文学年譜」の報道記録に随時掲載いたします。

お問い合わせ

この企画展、三浦綾子・三浦光世、三浦綾子記念文学館の著作使用および資料・写真の貸し出し生誕100年記念事業、その他三浦綾子記念文学館に関するお問い合わせは、事務局までお願いいたします。

館報「みほんりん」、パンフレット等のご請求については、こちらをお読みいただければ幸いです。

三浦綾子記念文学館事務局

  • 住所 〒070-8007 北海道旭川市神楽7条8丁目2番15号
  • 電話 0166-69-2626
  • FAX 0166-69-2611
  • メール toiawase@hyouten.com
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