はじめに
このページは、声に出して読むための文集です。三浦綾子作品に登場する人物の台詞を抜き出してあります。発声や抑揚の練習をするもよし、表現や言い回しを練習するもよし、ショートムービーで発表するもよし。文章にはすべてルビ(ふりがな)を振ってありますので、ぜひお使いください。
作家・三浦綾子は1922(大正11)年生まれで、生涯のほとんどを昭和の時代に過ごしました。作家としてのデビューは1964(昭和39)年で、初の東京オリンピックが開催された年。高度経済成長の波に乗り、社会全体が高揚感に沸き立っているような頃でした。ですので、彼女の作品には、この頃の雰囲気や描写が見られると思います。特に会話文などにそういう特徴を感じるかもしれません。それらも味わいのひとつだろうと思います。
大衆小説の世界で華々しいデビューを飾った三浦綾子。大胆な物語構成と、読者の心をぐいと掴んで進む展開。小中学生でも分かるようにと意識されて紡がれた平易な言葉と文章。それでいて映像が浮かび上がるような、あるいは心にまっすぐ届く表現の数々。黙読するのはもちろん楽しいのですが、三浦綾子の言葉は声に出して読むのもおすすめです。
三浦綾子は口述筆記で執筆していました。綾子が語る言葉を夫の光世が書き取っていたのです。推敲するときも、光世が読み上げるのを聞きながら手直しをしていました。つまり、三浦綾子の作品は、元々、声に出して生み出されたものなのです。
今回は短い文章だけで構成しましたが、気になる文章があればぜひ、元の作品を読んでみてください。新しい世界が待っているはずです。
では、声に出して読む三浦綾子の世界をたっぷりお楽しみください。
作品の朗読使用について
公の場で三浦綾子作品を使用する際には、所定の申請が必要です。
詳しくはこちらのページでご確認ください。
けれども、このページで紹介する文章に限っては、下記の条件で使用する場合の申請は不要です。
その場合でも、作品名と著者名(三浦綾子)は必ず添えてください(表記、音声のどちらでも可)。
- ブログ、サイト、各種SNS、動画配信サイトなどで、音声または動画(いずれも2分30秒以内)を公開する場合(ただし、広告収益や投げ銭などを含めて、何の利益も受け取らない設定での公開に限ります)
上記条件以外での使用については、こちらのページでご確認ください。