ぶんまちnews・file<9>

 『塩狩峠』50年事業 三浦文学3つの道 フットパスマップ(ぶんまち-09)

『塩狩峠』50年事業 三浦文学3つの道 フットパスマップ(ぶんまち-09)

 『塩狩峠』50年事業 三浦文学3つの道 フットパスマップ(ぶんまち-09)

『塩狩峠』50年事業 三浦文学3つの道 フットパスマップ(ぶんまち-09)

 『塩狩峠』50年事業 三浦文学3つの道 フットパスマップ(ぶんまち-09)

『塩狩峠』50年事業 三浦文学3つの道 フットパスマップ(ぶんまち-09)

 『塩狩峠』50年事業 三浦文学3つの道 フットパスマップの報道記事・北海道新聞(ぶんまち-09)

『塩狩峠』50年事業 三浦文学3つの道 フットパスマップの報道記事・北海道新聞(ぶんまち-09)

 『塩狩峠』50年事業 三浦文学3つの道 フットパスマップの報道記事・朝日新聞(ぶんまち-09)

『塩狩峠』50年事業 三浦文学3つの道 フットパスマップの報道記事・朝日新聞(ぶんまち-09)

 ぶんまちnews・file<9>
 
 全国でも初めての小説の題名を冠にした3つの道。隣接する旭川市、和寒町、上富良野町で小説の舞台を歩く「氷点の道」「塩狩峠の道」「泥流地帯の道」である。
 5月19日。三浦綾子記念文学館と塩狩峠50年「まちおこし実行委員会」が報道各社(別掲掲載写真参照)を通して発表した。「三浦文学3つの道」と名付けられたこの道は、フットパスで楽しめるコースで、三者三様の「彩り」を楽しむことができる。キーワードは「頭と体の健康&快適さ」。人間本来の「歩く」ことの意味を問い直し、知的充足、健康促進、癒しを体験しながら、「物語をより深く理解することにつながる」というもの。
ワクワクするような「3つの道」はどんな道か、どのように歩くか、「見どころ・歩きどころ」などを紹介しよう。

 まずどんな道かを簡単に紹介する。(詳しくは文学館などで無料配布する「三浦文学3つの道フットパスマップ」をご覧いただきたい。
 
 「氷点の道」は、三浦文学館のある外国樹種115年の森・見本林(主人公陽子の辻口家)が出発点。陽子が通った神楽小・中学校を見ながら、街の中心部へ向かう。旭川駅、丸井今井跡、「氷点」のタイトルが浮かんだ旧北海ホテル前バス停、六条教会、堀田家(綾子の子ども時代の家)の跡地、そして、かの有名な喫茶ちろる(お茶するのもいいかも!)に寄り、旭川駅横の氷点橋、氷点通りを経て出発点に戻る。約8㎞のコース。
 
 「塩狩峠の道」は、主人公永野信夫が身を投じて列車を止めた線路上のJR塩狩駅が基点。
峠の山に向かう道は、開拓時の「天塩の国」から「石狩の国」へと入る。小高い山の頂上には三浦夫妻の仲の良さを彷彿させる夫婦岩が。沢の両側に対をなす山の中腹をグルリと廻る当時鉄路の難所と言われた峠の約8.4キロの道である。
 
 「泥流地帯の道」は、時速60キロの泥流が下った山の麓に設置された記念碑(主人公の石村家が設定された場所)が出発点。すぐに復興のシンボルでもある村長吉田貞次郎の旧家が開拓記念館に出会う。山に源泉を持つ富良野川は泥流の通路となった。川沿いに点在する災害の跡地や犠牲者を弔った寺、綾子の取材に住民が集まった場所、そして、なみだ橋(通称)といわれる多くの犠牲者の見つかったところはまさに、〝シミジミ″。一方川の両側には奇跡の復興で成し遂げられた田畑が爆発後90年の苦難と挑戦、実りを実感するのである。終着の「土の館」は、その泥流地帯の地層(数万年前から現代まで)が見られる。約6㎞のコース。

 どのように歩くか。それはそれぞれのウォーカーが秘策を練るところだと思うのだが、ひとつの提案として紹介しよう。
 「3つの道」を1回でまとめて歩くには、2日間は必要だ。遠くらから来る人は、「道」の近くに宿をとり、JRかマイカー、レンタカーなどで廻るとよい。1日目は氷点の道、2日目は「泥流地帯の道」と「塩狩峠の道」と。ゆっくり歩きたいという人には、2泊3日がお勧め?
 
  【JRの列車】  旭川駅―塩狩駅 約40分   旭川駅―上富良野駅 約60分
  【車での移動】  旭川―上富良野 約60分   上富良野―和寒 約80分   和寒―旭川 約40分

 最後に、それぞれの道の魅力と楽しみを簡単に紹介する!マップ片手に、いざ出発!
 「氷点の道」には、実は今回出発点となる外国樹種見本林に「四季の道」も用意させていただいた。(詳しくはマップを)桜並木のきれいな「春の道」。マイナスイオンのシャワーを浴び森林浴を楽しむ「夏の道」。「秋の道」の紅葉と黄葉は、見本林入口の大木のドングリの木から始まり、黄金色の敷物とともに常緑樹の松など多彩な彩りの見本林を楽しめる。
30分くらい見本林のコースを楽しんだのち旭川の街に入る。
 「こんなにもいたるところの街の様子が描かれているのか」と驚くほどの建物や歴史、風土に出会うのが『氷点』なのだ。文学館には「氷点」を旅する」(発行:北海道新聞社 1,728円)も販売されおり、マップと本を手に一つ一つの要所を物語と合わせて歩く時、『氷点』の新たな魅力や発見につながることになる。グループや友人、恋人、家族や子供、孫などと共に歩くと豊かな会話とともに新しい「ものがたり」も生まれてくるであろう。「氷点の道」は、旭川の街を楽しむ道でもある。
 
 「塩狩峠の道」は、なんといっても自然を満喫する道だ。峠の山の中腹を楕円状に廻ることのできる散策路は、春夏秋の季節ごとに表情を変え、色彩を変えるピクチャーになる。野草や花、鳥や小動物に逢えるのも楽しみだ。ふわりとした土の山道は、アスファルトでは感じることのできない「足の裏の土踏む力」を甦らせてくれ、フットパスの良さを充分に味わえることができるのである。
 
 「泥流地帯の道」は、自然災害と復興の「現場」を歩く道である。まじかに見る溶岩の大きさや多さ、1分間で1キロも下った泥流が抉った爪跡。残された泥流層。
 「土が燃える」 「流された大木や犠牲になった動物、人も埋まっている田畑」。その復興はまさに奇跡だった。「苦難にあった時、それを災難だと思って歎くか、試練として受け止めるか。それが大事だ」。作中で主人公の母佐枝の言った言葉は、今を生きる私たちの人生訓でもある。

 マップ送付ご希望の方は返信用封筒(角2型大型封筒に切手140円分を貼付して、宛名と宛先住所を記入)を添え、三浦綾子記念文学館へ申し込んでください。

(文責:松本道男)

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