「ミニシアター」開幕 ―就任1カ月の愉しみ

「ミニシアター」開幕――就任1カ月の愉しみ

 

 文学館の周りも雪がとけ、ウォーキングが楽しみな季節になりました。

 館長という大任を仰せつかってから早くも1カ月――このサイトや、文学館のfacebook、ツイッターに、たくさんのアクセスをありがとうございます。

 しかもこの間、思いもがけず、新聞社やラジオ局、勤務先の大学の新聞会(学生による)などから取材を受け、さあ、困った! 実は“アドリブ”で話すのが大の苦手なのです……。

 大学の講義や、高校への「出前講義」、短歌の講演などは、きっちり「原稿」を用意して臨むのですが、その場で「さあどうぞ」となると、小さい声がさらにさらに小さくなり、目も、あらぬ方に泳ぐばかり。

 そんな私が、この4月に新規スタートした文学館イベント「ミニシアター」に、突如、登場することになったのです。来館者の方々の目の前で、職員による解説と、ボランティアの方々による朗読、映像、音楽をコラボさせたイベントで、その場限りの“ナマ”シアター。またまた、困った!

 ところが――。

 時間をかけて周到に準備された台本と、説得力ある映像、さらにボランティアの方々の堂々とした朗読が、緊張感をすっかりときほぐしてくれました。しかも今回のミニシアターの内容は、『道ありき』。昨年、大学のゼミ生たちとじっくり読んだ一冊でもあり、朗読の一部を担当したのですが、思わず情感をこめて語ってしまいました。

 とはいえ、この上の動画(4月29日撮影)は“アドリブ”で、こちらは緊張しまくりですね。話しつつ、首ふりが多いのがお見苦しいのですが、このクセは、戦争体験者の方々の傾聴をしたり、学生の悩みを聞くときに、いつもうなずきながら聴いているからです。むしろ、私の個性としてご笑覧ください。

 そして何より、今後の「ミニシアター」、どうぞご期待ください。

田中 綾

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