【2014年6月】「想い出ノート」 第182号

2014年5月3日
札幌から来ました。
私は中学1年のころに『塩狩峠』を読みました。
体がふるえ何がなんだかわからなくなるような、何も言えない感動が私の体に走りました。
この記念館に来たのははじめてです。
三浦さんのことをよく知るきかいになったかなと思います。
こんどは『氷点』を読もうかな。

2014年5月4日
大学時代『銃口』を読み、戦前の空気と現在の空気の危うい類似点に、怒りを覚えました。
人間が、人間らしく美しく生きるためにどうあるべきか、それに貫かれ、貫く人物たちが登場する三浦作品は、私に「人間を信じ愛せる」と勇気をくれる存在です。
そして、人間性を失わせる戦争というものへの危機感、警戒、そして抵抗をおこたるなという自戒を促す作品でもあります。
私も拙いながら、物を書く仕事をしています。
人を愛し、人を信じ、人間性を失わせる何ものにも抵抗する、その基を決して忘れない仕事をしたいです。

2014年5月6日
私はお父さんとお母さんと3人で札幌の西区から来ました。
本をよんでいて『まっかなまっかな木』という三浦さんの本を読みました。
とてもおもしろいおはなしで、まあちゃんは、少し私に似ているなと思いました!!

2014年5月8日
初めての北海道、初めての文学館です。一生の思い出となりました。
ありがとうございました。

2014年5月15日
初夏を思わせる今日、久しぶりの文学館です。
到着してすぐに、2匹のエゾリスに会いました。
緑の見本林は久しぶりです。真冬の姿とはまた違い、生きる力を感じます。
私はこの文学館に来ると、日頃の自分のごうまんな心を思いしらされます。
人を責めるばかりで自分はどうなのか?その人の心を思い考え、接しているのか?見返りばかりを求めていないか?
そんな自分がとてもイヤな人間に思える。
こんな心をいつもささえ、助けてくれるのが綾子先生の本です。
また、私のささえとなってくれる綾子先生の言葉を探します。

2014年5月18日
今日友達とこの文学館に来る事が出来ました。
三浦綾子さんの本のおかげで私は本を読むのが大好きになりました。
ありがとうございます。
そしてここまで私を連れて来てくれた友達にも感謝です。

2014年5月21日
想い出ノートの過去の文集の中から11年前に自分の書いた文を発見し、タイムカプセルを開けたような気持ちになりました。
当時、私は三浦綾子さんの『銃口』を読んで教師を目指す学生でした。
念願叶い、教師になることができましたが、想像以上の激務に耐えかね、結局は退職してしまいました。
当時は未来のある教え子達のために一心不乱の毎日でした。
教え子を戦争に送るような世の中に絶対したくない、そうならないようにと願っていました。
今は現場を離れてしばらく経ちますが、あの当時よりも日本の右傾化が進んでいるようなきがしてなりません。
未来のある若者が生きやすく、平和に暮らせる世の中が来ることを願っています。

2014年5月27日
同窓会が札幌であり、1人足を伸ばして旭川まで来ました。
若い頃、何も知らないまま、三浦綾子さんの小説を続々と読んでいました。
キリストの信仰から書かれている文にいつも引き込まれ、その後私自身が教会へ通うようになり。
今クリスチャンとして歩んでいます。知らず知らず導かれていたことに驚き感謝しています。
なかなか来れなかった記念館に初めて来らて嬉しさ一杯です。
気持ち新たに歩んでいきます。
これから『氷点』の舞台見本林をゆっくり散策して思いをはせたいと思います。

(まとめ:小泉雅代)

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